虹がでたなら

説明がしづらい人のブログ。

やすののNY迷走録(2)

一日目 11月11日 (月) 機内から見るオーロラ、NYの夜

f:id:yasno:20150711223244j:plain ウトウトしていると、ぬっと差し出されたカップヌードルによって起こされる。あぁ、そういやぁ寒い。カップヌードルはピッタリだねぇ。なんか、久しぶりに食べると学生に戻ったみたいな気分だなぁ。欲しい人には、ティーサンドイッチかおにぎり、それからスニッカーズも用意されていた。普通の女性の胃には入らないだろうと思うんだけど、3人がけのもう一つの席に座っていた50代くらいの女性は、ぺろりと平らげていた。さっきの食事も怖ろしいくらい早食いだったし……。知らない人ながら、健康を心配してしまう。

 食べると目が冴えるのかよく分からないが、寝てたゆいちゃんも起きたし、少しお喋りする。ゆいちゃんが、何気なく窓を開けて外を見て、小さく叫んだ。「オーロラが見えるよ!」。私も見てみると、遠くの方、大体飛行機よりも少し高い位置にモヤーっと青白い筋が見える。凄い凄い。見に行こうと思っても、見られない人もいるのにー!

f:id:yasno:20150711223731j:plain さて、最後の機内食は、キッシュを頼んでみた。期待していたよりもずっと美味しくてビックリ。チキンソーセージも、ちょっと癖がある所が好みだ。チョコチップクッキーは、マシュマロが入ってて、噛みしめないと食べられない。おばあちゃんにはちょっと辛いかもな。もちろん、隣の女性はあっ!という間に完食。

 食事が下げられ、温かい飲み物で一息吐いた頃、飛行機は着陸態勢へ。突然、隣の早食いの女性が話しかけてくる。彼女はニュージャージーに住んでいて、1週間程、日本に里帰りしていたとの事。なるほど、胃袋がアメリカンサイズなはずだ。彼女に、「ニューアーク(国際空港)から、アッパー・ウエストサイドまでのタクシー代って、どのくらいだか分かります?」と聞くと、「州を越えるしねぇ。$100くらい? うーん。$80くらいかも。でも、使ったことがないから、分からないわ」と。「そんなにするのかなぁ」と、疑っていたが……。  程なく入出国カードが配られ、書かされる。裏に変な質問(献血の記入用紙の裏みたいな、変な回りくどい質問)が沢山あって笑える(書き間違えて、新しい紙を貰ったので、持って帰ってきたはずなのだが、無くしてしまったようだ。まぁ、帰りのパッキングの時とんでもないバタバタした状態だったから、仕方ないかも……)。

 


 

 ニューアーク国際空港(Newark International Airport)に到着。ヨーグルトにとっての最後の難関である。もしここで何か言われたら、適当に言い逃れる語学力が私にはない。そんなに真剣に恐ろしがる程の事じゃない気もするが、再びドキドキする。

 預けていた荷物がグルグル回る所で、カートを持ってふたりで待っていると、空港係員らしき男の人がやってきて、ゆいちゃんに何か聞いていた。最後の、「Do you have any food?」だけ聞き取れ、ゆいちゃんは「No, I don't」とだけ答えていた。すると係員さんは、彼女から出入国のカードを受け取り、食品の欄にペンで○を付けて返した。そして、私には何も聞かなかった。……聞かれなくて良かった。よく分からないが、その後、私達はトランクを開けて見るレーンから外され、ただX線を通すだけのレーンに並ばされ、あっけない程あっさりと空港を出ることが出来た。

 そして、狭い出国ロビーから、先にNYに来ている従姉のユキちゃんに電話。ゆいちゃんは、この旅行の為に10日間、アメリカで使える携帯(凄く高い!)をレンタルしていたので、これまたすんなり。「無事着いたんだね。タクシー乗って、少し走ったらもう一回電話頂戴」って。

f:id:yasno:20150711224417j:plain 飛行機の中で聞いた女性が、空港からアッパー・ウエストサイドまでかなり掛かりそうだと言っていたのだけど、バスの乗り場も分からないし、電車なんかもっと分からない、なんだか怖いし、結局タクシーで行くことにした。まだビビっていたので、人の顔が見える方からは撮れなかったが、もうこの列からして様々な人種がいる。目的地までの見積もりを計算してくれた女性はアフリカ系で、空のカートを片づけてる女性はチャイニーズ系だ。目的地までの見積もりを聞くと$65だったが、州を越えるのに$8掛かるという。よく分からないが、そうなら仕方ない。「OK」と言うと、イエローキャブは走り出した。

 アフリカ系の運転手は運転が上手で、それほどアフリカ訛りの激しくない優しい英語を使って、ポツポツと話しかけてきた。でも私達は、英語を話すことに慣れていないので、言われている言葉が分かっても、ろくに返事が出来ず、とてももどかしかった。車の種類は何だか分からないが、室内はとても大きくて、柔らかい皮のベージュのシートはフカフカでとても気持ちが良かった。ともかく、ゆいちゃんの言った「Very comfortable」が通じて良かった。「もうすぐ、NY名所の一つGeorge Washington Bridgeを通るから、よく見てて」と言われてから通った橋は大きくて綺麗。でも通っている間よりも、少し離れてから見ている方が綺麗だったかな。橋を越えた辺りで、ユキちゃんに再び電話。

 いつの間にか、今回泊まるホテル・オルコット(Hotel Olcotto)に到着。昼間の間にだいぶ雨が降ったらしく、道路はビショビショ。運転手が、私の布製のカメラバッグ(防水が切れかけてる)を道路に置こうとするので、さっと受け取って、「This St.reet is wet」と言うと、「So what?」と言われてしまう。私の英語が変だからか。

 


 

 18時。チェックインはユキちゃんがするというので、ふたりしてロビーで待つ。20分ほどして、「思ったよりも、私のホテルから遠かった!」と言いながら、子供みたいに髪を二つに縛ったユキちゃんが到着。チェックインすると、ポーターが手動のエレベーターで部屋まで案内してくれた。エレベーターは今にも止まりそう。戦前に建築されたのホテル・オルコットは、どこもかしこも、よく言えば渋い。そして、暗い。

 私達の泊まる部屋は5階の一番奥にある502号室で、このホテルでもかなり狭い部屋だった。キッチン付きだって書いてあったけど、付いていたのは電熱器だけで、流しは無し。これで全室キッチン付きだって書いちゃうんだなぁ。部屋に入って一番最初にやったことは、トランクの中からヨーグルトを出すことである。どんな感じになってたかというと、ほとんど液体になっていた。大丈夫なんだろうか。とにかく、後で牛乳を足してみよう。

f:id:yasno:20150711224913j:plain 「お腹空いたんじゃない?」とユキちゃん。「いや、別に空いてないけど」と私。「空いてない気がするだけだよ。ちゃんと食べてから寝た方がいいよ。何か買いに行こう」ということで、近くの店を覗きに行く。  でもやっぱり、何が食べたいのか分からないので、ブロードウエイAv.×72St.近くにあるDAIKICHI SUSHIで、ふざけて食べるのにピッタリなアメリカ風のお寿司を買って貰う。ふたりで「クリームチーズ入りの寿司が食べたい」と小さく言ったが、即座に却下され、選ばれたのは右の2点。ブロードウエイAv.を66St.まで下って、ユキちゃんの泊まっているホテル、フィリップス・クラブ(The Phillips Club)に上がり込んで、お茶を出してもらって食べた。カリフォルニア巻きは、普通のカリフォルニア巻き。ライス・サンドは、酢飯じゃないので、なんだかパサパサした感じだった。

 1年近くぶりに会う、姪のワオちゃんは超元気で、部屋の中を走り回っていた。全然、時差ボケが治ってないみたいだ。ユキちゃんも父親のコバヤシさんも、それにはちょっと参っているらしい。

 


 

 フィリップス・クラブを出て、地下鉄66st.駅に行く。7日間乗り放題のメトロカード($17)を購入。自動販売機だったので、特に戸惑うこともなかった。72st.駅までひと駅乗ろうと、来た電車(7Av. Local)に乗ったら、ダウンタウン行きで、コロンバス・サークル(Columbus Circle)59st.駅まで連れて行かれてしまった。早速、乗り間違えちゃった。でも、乗り放題券だから(笑)。だけど、そろそろ部屋で眠りたくなってきたのになぁ。「じゃぁ、ここは大きな駅だから、ホテルにより近い路線(8Av. Local)も乗り入れてるみたい。それに乗ろうよ」と、その電車が来るホームで待つ。来た電車に乗ったら……、特急(8Av. Express)で……、ハーレムのど真ん中、125St.駅に連れて行かれてしまう! 私は125st.駅がどんな場所にあるのかなんて、全然知らなかったので、「わははは」って感じだったが、ゆいちゃんは超ビビリまくっていたらしい。そういえば、いつになく機敏な動きだったような……。私はただただ眠くてたまらない状態で居ただけだった。  「一刻もこの駅から立ち去りたい」ゆい嬢と、「ローカルが来るまで待とうよー」と言う私。ゆいちゃんの必死の祈りが通じたのか、次に来たのはローカルだった。そして、無事にセントラルパークAv.(8Av.)の72st.駅に到着。 ヨーグルトの為にどうしても牛乳が買いたかった私は、ブロードウエイAv.まで付き合ってもらって、24H営業の商店に寄る。牛乳の並んでいる棚の前に行くと、想像以上に種類があって迷ってしまう。特にデカデカと「Vitamin D」と書かれている牛乳が何なのか分からない。散々迷って1本選び($1.29)、水($2)と一緒に購入。

f:id:yasno:20150711225300j:plain それにしても、1日が長かった。なんせ、時差14時間だから、今日が38時間もあったことになる。その間に、家でブランチを食べ、機内で3食、NYに着いて1食と、こんなに食べたのに(推定3000kcal)ろくに動いてない。そんなときこそ、エアロボディブレードである(笑)。「明日、どうしようかなー」なんて考えながら、ブンブンやっていた。ゆいちゃんがシャワーから出て、交代にシャワーを浴びる。出てくると、もう1時! うっわー。隣のベッドを見ると、『NHK とっさの一言』に指を挟んだまま爆睡しているではないかー(笑)。気合い入ってるよなぁ。

 日本から持ってきた、温度計&湿度計を見ると、部屋の中は22C°に40%。バスルームを開けっぱなしにしたまま、高温シャワーを出し、湿度を60%まで上げてから眠る。