店員の靴を踏みながら靴紐を結ぶのは嫌なんだ
友達と、この夏は富士登山に行こうと話している。
パッと見は問題なさそうだが、10年前に購入した登山靴は完全に靴底が劣化しているだろう。買いに行かなくては。
「買いに行かなくては」と言いつつ行けていないのは、たった一度しかない登山靴購入時エピソードが、ちょっと腑に落ちなかったからなのだ。
専門店の店員は、知識が深く、親切な人が多い。その時、そこにいた店員もとても親身に靴の特徴を説明してくれていた。
「登山靴の靴紐を結ぶときは、つま先をあげた状態で結ぶのがいいんですよ。だいたい3〜4cmくらいのものを踏んだくらいです。じゃぁ、僕の靴を踏みながら靴紐を結んでください。」
そう言われ、即座に「コイツ、そう言う趣味か? なんでお前を悦ばせなけりゃならんのじゃ!」と思ったが、私が知らないだけで、登山靴業界ではそういうものなのかも知れないとも思った。
「いやいやいや。でも、人の履いている靴を踏むなんて出来ませんよ。」
そう言いながら、彼が言うような高さのものがないか周りを探したが近くになかった。
この押し問答は少し続いたが、結局は踏んで結ぶことになったような記憶。
その後、色々な人に聞いてみているが、店員の靴を踏みながら靴紐を結ばされることになった話は聞いたことがない。
まぁ、大々的には訊いてないけども。
今度登山靴を買いに行くときは、また「踏んでください」と言われてもスマートに断れるように、ちょうどいい踏むものを鞄に入れて行こうかなぁ。
ちょっと用意するのも馬鹿馬鹿しいような気もするけど。