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虹がでたなら

説明がしづらい人のブログ。

悲願の富士登山「須走コース」を振り返る(5)

Wishlist:動

また一週間経ってしまった。今月は仕方ないだろう。シャネルかっさもまだ試せてない……。今日も時間がないので、1時間で書ける所まで。

 

(4)のつづき@富士山八合目 下江戸屋。

午前1時45分だったか、松田君に「出るよー」と起こされる。目覚めると、想像以上に多くの人たちが起きて準備をしていた。暗闇の中、小さなヘッドライトが蠢き、そこここで話声がするのに、みんなコソコソ声で面白かった。寝てる人もいるからね。

暗い中、寝袋用シーツを上手に畳めるか心配だったが、すぐ出来た。ちなみに私がこの小屋泊の為に購入した寝袋用シーツはこちら。 

deuter(ドイター) ソフトマイクロシーツ アッシュ 402 DS49426

deuter(ドイター) ソフトマイクロシーツ アッシュ 402 DS49426

 

Mさんに「シーツは絶対にシルク(7,000円)がオススメ!」と言われたのだけど、1回しか使わないかもしれないのに高い!とケチ心が勝ち(友達に「出掛けた時にホテルで使えばいいじゃん?」とも言われたけど、旅行に行って恋人の鞄から寝袋用シーツが出てきたらどうよ? 私なら引く。その恋は終わると思う。間違いない!)。

ドイターの安いシーツでも、そう悪くなかった。自分の物だと思うと安心感が違う気がした。途中から暑くなって寝袋を腰まで下げてたけど、シーツをかぶってるから冷え過ぎることもなかったし、快適だったと言えると思う。 
しかし、頭がズーンズーンと痛かった。アクビとちょっと苦しいだけの高山病の症状だったが、身体も重いし、これは疑いようがない。

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一階に下りると、更に多くの人たちが食堂でガヤガヤと出発の準備をしていた。小屋の人が「まだ寝てる人もようけおるので、静かにしてください!」と注意してたけど、広東語が多いように感じたので、通じてない可能性が高かった。

雨は止んでいて、窓のを開けて外に手を出してみると少しひやっとした。15度くらいかな〜と思った。せっかく持ってきたので、オイルカイロに火をつける事にした(下は準備中の画像。もちろん、過去に紹介した温か朗も持ってきた)。

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しかし持ってきたライターの火がつかない! 酸素の薄い高地では電子ライターは使用出来ないことを知らなかった。無駄な物を持ってきてしまったぁ!とショックを受けたが、井上君に石のライターを借り無事着火することが出来た。

顆粒ヴァームや塩分のあるもの、水を多めに飲んだが、そう簡単に頭痛は減らなかった。まぁ、そのうち減るだろ。

ここから上はどんどん寒くなるとは分かっていたものの、昼間の格好の上にレインウェアを着る程度で小屋を出てしまった。本当は全部着て、フロントを開けて温度調節するのが良かった。上は本当に本当に大渋滞で、ザックを下ろして開けるのが困難になる。

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小屋の外に出ると黒い世界だった。遠くに見える町は眠り、星は小さく小さく震えていた。世界は眠っているようだった。

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鼓膜が弱い所為か耳の奥で小さくブーンと音がした。身体が重い。思考能力が完全に低下していた。数秒前まで、自分が何を手に持っていたのかすら忘れる。なんじゃこりゃ。恐怖。小屋の周りに片方の手袋や帽子が落ちている。普段なら、集めて小屋の中にいる人に「忘れ物みたいです」と渡すのにそれすら思いつかなかった。HOMER氏が忘れそうなものを連呼してみんなにチェックを促してくれた。

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2時10分、八合目の下江戸屋出発。遠くに大渋滞の灯が見える。冷たい空気が澄んでいた。頭はずっと痛かったが気力は漲っていた。自分の首より上と下が別の生き物のようだった。しつこく深呼吸をしながらゆっくり登っているうちに身体は徐々に動くようになってきた。

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2時25分。いよいよ吉田口ルートで登ってきた人たちと合流。ぎゅうぎゅう。「富士山の竹下通り」と言われるだけのことはある。

お腹が空いてるのは分かっていたのだが、直後に食べることを忘れてしまう。ヴィダーインゼリー的な物を一気飲みする。松田君は羊羹を食べていた。ちょっと羨ましかった。

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3時15分 八合五勺 御来光館(3450m)。表情のない登山客が増える。

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一本道なので、あちこちで富士登山ツアーの添乗員が叫んでいるのが聞こえる。ひとりの添乗員が何人を先導してるんだろう。添乗員時代、「富士登山ツアー? よくあるよ。そのうち回ってくるんじゃない?」と言われていて、その時はちょっと楽しみにすら思っていたが、やらないで済んで良かったと思った。とにかく道が暗い。そして、高山病になった黒い顔の人が、そこここに“落ちている”。

添乗員達の「谷側やロープの外で休まないで! 落石の原因になります! すぐ山側へ移ってください!」「無理な追い越しはやめてください!」を何度聞いただろうか。それでも人を押して走る人は何人もいた。富士山は無法地帯か。落石で何人も人が死んでいるのに。

渋滞で少しずつしか登れず、とても日の出(5時)前に頂上に付けそうになかったのだけど、寒さに耐えきれず脇道に入って服を着足した。一回脇道に出ると本線に入るのが大変。小屋で全部着てしまわなかったことを後悔した。

 

(つづく)