虹がでたなら

説明がしづらい人のブログ。

やすののNY迷走録(4)

二日目 11月12日 (火) 緊張の訪問、そして酷い風雨

 カプチーノも飲み干して、巨大な悪魔のケーキは、5人掛かりで半分もやっつけることが出来ず、我々はCha Cha'sを退散することに。

 少し歩き、大きな通りに出てた所でMさんと別れ、4人でタクシーを拾って坂本さんのスタジオの近くまで移動。16時までまだ少し時間があるので、雨も降ってるし、近所の本屋を覗いてから、隣の文房具屋に入る。カウンターを見ると、色々な形に切り抜くことの出来る穴開けパンチが、様々な大きさで沢山売っている。丁度こんなのが欲しかったので、中くらいの大きさのを一つ購入。雨宿りで拾い物だ。

 16時少し過ぎたので、坂本龍一さんのスタジオにお邪魔。上が住居で、地下がスタジオになっているらしい。門を開け、階段を降りて2重のドアを開けてもらって中に入る。坂本さんは、まだ帰っていなかったので待たせて貰った。明るい色のフローリングと、奥に吹き抜けである庭が和やかで、地下という暗さが全くない。大きな卓の奥には、ヴォーカル・レコーディングルームも完備。前のスタジオでは無くて、トイレで録音したりしていたらしい(今井美樹さんとか)。

f:id:yasno:20150712001438j:plain ソラさんと話していると、息子さんが帰ってきて部屋に上がっていき、程なく坂本さんが帰ってくる。当たり前だが、「うわっ! 本物だ!」などと思って、緊張してしまう。Oさん(NYでレコード会社の社長をしている)も緊張してる感じ。ゆいちゃんは、普通に楽しそうにしている(ように見えただけか?)。当たり前だが、10年以上前から友人であるユキちゃんは普通だ。話題は、何て事はない話。アフリカのこととか。

 坂本さんは、今夜締め切りの曲の、仕上げ真っ最中でとてもお忙しそう。その風景を、ユキちゃんと交えて少し撮る。私達もOさんも撮ってもらう(肖像権とか厳しそうなので、エフェクトかけてみました。誰かワカランか……。まぁ、それで良いんだけど)。

 すると、坂本さんが引き出しから、ライカの新しいディジタルカメラを出して、「じゃぁ、僕もみんなが来た記念に1枚撮ろう」と言ってレンズをこっちに向けるので、思わず習性(というか、何だ?)で、写らない所にさっと動いてしまった。すると、笑いながらレンズで追ってくるので、私は更に(何でだろ)逃げてしまい、ユキちゃんにも、「何やってンの! 普通に撮られなよー」と笑われてしまった。余計に目立つっつーの(苦笑)。また少し雑談(「YMO再結成は絶対無いよ」とか)してからお暇することに。いやぁ、とにかく緊張した

 


 

 緊張したからか、昨日着いたばかりだからか、朝から歩きまくったからか、それら全部なのか分からないけど、異様に体が重くなってきたので、一旦部屋に戻ることにした。帰りの地下鉄の中でOさんは、私達が何を見たらいいのか迷っているので、今やってるミュージカルの殆どの作品について説明をしてくれたり、オススメの夜遊びスポットなどを教えてくれた(……えっと、夜遊びはしないのでぇ。ごめんなさい)。ありがとうございました。

 何回か乗り換えて部屋に戻った。17時半。いやぁ、なんだかグッタリだ。ここで、最近マンハッタンに戻ってきたという友人Konさんに電話をかけ、明日のお昼を一緒に食べる約束をする。

 


 

 1時間だけ休憩して、再び出かけることに。行き先は、エンパイア・ステートビル(Empire State Building)。少し収まってきたとはいえ、雨だってぇのに……。

 

f:id:yasno:20150712001853j:plain 地下鉄に乗って、ヘラルド・スクエア(34 st. Herald Sq.)駅で降りる。地上に出た途端、もの凄いビル風に煽られる。雨はそんなに酷くないが、とにかく凄い風。5 St.側にあるエンパイアの入り口まで小走りで行く。他の入り口は、閉まっていたから。係の人に、「左の壁に沿って並んで下さい。セキュリティチェックがあります」と言われ、素直に並ぶ。空港みたいな、X線で荷物を見る機械と、金属探知のゲートを通って中に入り、展望台の切符きりの前まで行くと、「曇ってるけど良いの?」って。それから、「Are you Japanease?  “見エ・ナイ”!」と丁寧に日本語でも説明してくれた。「See you」と言って後にする。まぁ、最終日までには晴れるでしょう。

 何となく土産物屋に入ってみると、「うっわー。下らなー!」という商品のオンパレード。誰も欲しく無さそうなのに、結構凝ってて、しかもイイ値段する。ゆいちゃんは、そういうお土産物を買うのが大好きなので、「誰にあげようかなー」言いながら、財布と相談しつつも、色々買っていた。私も、自由の女神に型抜かれた大判のポストカードを買った。

 それから、せっかく来たんだし、万が一もうここには来ないなんてことも有り得るので、エントランスで写真を撮ってからビルを出た。

 

 ヘラルド・スクエア駅まで戻り、角にある24HスーパーDuane readeで日用品を買う。Duane readeは、マンハッタンのあちこちにあって雰囲気としては、マツキヨみたいな感じ。陳列はドカンドカンでウワーだ(つまりいい加減)。2階に行くと、「これ処方箋無しで買えちゃうんだ」って薬や、一粒がサクマドロップよりも大きなサプリメントが、ゴンゴン並んでいる。異国だなぁ。

f:id:yasno:20150712002137j:plain 「全然お腹も空かないし、もう1ブロック歩けば、ペン・ステーション(34 St. Penn Station)で、乗換なしで帰れるよ。そうしようか」と、どっちが行ったか忘れたが、私達は34 St.を西に歩いた。しかも、暴風の中。途中、ゆいちゃんの傘がおちょこになってしまい、すれ違った男の人に、「OH! SHIT!! Hahahahaha!」とからかわれていた。あまりに絶妙なタイミングだったので、私も笑ってしまった。ゆいちゃんはと言うと、、「んもーぅ! それはこっちの台詞だよぅ……」と言い終わる頃に、苦笑いが笑いに変わっていたようだった。  サンクス・ギヴィングデイ(感謝祭)前だが、気が早い店では、クリスマスの飾り付けをしている。ほの暗い通りに点在している、デコレートされたショーケースが、さながら展覧会の絵のようで楽しい。寒くて、雨が降って、風も強いけど(苦笑)。わはは。本当は、早く部屋に帰りたかった。

 


 

f:id:yasno:20150712002355j:plain 部屋に帰り、昼間に買ったスープセットを使い、ふたりで明日の朝食の下ごしらえをする。煮込み物は、前日作った方が美味しいもんね。材料は、ニンニク4片、人参1本、赤カブ1個、白カブ2個、玉ネギ1個、セロリ(25cm)3本、大きなマッシュルーム15個くらい、セージ一掴み、イタリアンパセリ一掴み、コンソメ、塩、こしょう。以上!のハズだったんだけど、私が塩加減を間違ってしまい、次回のスープに使う予定だったプチトマトを15個程入れざるを得なくなった。最終的には美味しく出来たんだけど……。味見程度に少しずつ食べ、シャワーを浴び、日記を書きながら寝てしまった。