虹がでたなら

説明がしづらい人のブログ。

やすののNY迷走録(5)

三日目 11月13日 (水) 友達とギリシャ料理、ホイットニー美術館

f:id:yasno:20150712144207j:plain 昨夜の内に作って置いた具沢山スープの朝食。ニンニクの味が濃いのに、ちょっと感動。ウマイ! この味のニンニクを日本でも買いたいものだ(確か$0.40位だった気がする。普通の値段だよね)。トマトも味が濃いし、他の根野菜もホクホク。体が中から温まる。美味しい美味しい。

 ダラダラお喋りをしたり、TV(子供番組がやっていて、凄く分かりやすい)を見ながら、長々と歯を磨いたりして、11時になってしまう。今日の昼食は、NYマンハッタン在住のKonさんと食べる約束をしているのだ。待ち合わせは、ここ(オルコット)のロビー。慌てて、エレベーターに乗る。

 


 

 ロビーに行くと、既にKonさんは来ていた。3年ぶりに見たKonさんは、ちょっと痩せたように見えた。聞いてみると、食がいまいち合わないのだそう。アメリカに来ると、女は太り男は痩せる人が多いそうだ。とてもよく分かる。量も多いし、甘い物もヘヴィーだしねぇ。

 「インド料理とギリシャ料理、どっちがいい?」と聞かれたので、辛い物の駄目なゆいちゃんは、即座に「ギリシャ料理!」と答え、コロンバス Av.を南に少し行ったAEGEANという店に行くことになった。

 店に入ろうとすると、ユキちゃんから、ゆいちゃんの携帯に「今日何する予定なの?」と言う電話が掛かってくる。

私「これから、友達とお昼ご飯を食べて、何処か美術館でも行こうかと思ってるけど」ユキ『夜どうするの? 紅花行ったら? 面白いよ!』

 紅花とは、ユキちゃんの友達のやってるレストランなのだ。「うん。じゃぁ、そうするよ」と言うと、「ちょっと、友達に電話代わってみて」と言うので、電話をKonさんに代わると、ユキちゃんは、我々二人をブロンクスに連れて行ってくれるように頼んでいた。「いやー。あの街は、絶対見た方がいい!」との事。

 何だか順番が逆のような気もするが、そんなに勧めるなら……、「Konさん、私達にブロンクスを案内して下さい」と私達からもお願いし、金曜日の午後に連れて行って貰うことになった。

f:id:yasno:20150712144426j:plain 店の前で長々とゴチャゴチャやっていたが、ここでやっとAEGEAN(221 Columbus Av.)に入った。装飾の少ないサッパリとした内装で、窓が前面ガラス張りで、オープンな雰囲気だ。Konさんによると、この店は「ほうれん草のパイ」がお勧めらしいので、先ずそれを頼む(写真奥)。それから、レギュラーサラダと、ラム肉のハンバーグを頼んでみた。テーブル係の男の子は、終始ボーーっとしていて、まるで寝ながら仕事をしているよう。とてもニューヨーカーっぽくない。後で聞いてみると、ギリシャから来たばかりだという。

 頼んだ料理が出てくる前に、焼きたて(蒸かしたて?)アツアツのギリシャ風のパンが出てきた。挽きの粗い強力粉を使い、イースト菌も使っていないようだ。塩の量が少なめで、とても素朴な味。お好みで、オリーヴ・オイルにシーズニングの混ざった物を付けて食べるようになっている。「結構好きかもー」なんて言いながら、モグモグ食べていると、頼んだ料理が次々に出てくる。ラムのハンバーグは、想像通りの味だが、たっぷりのレモンと控えめの塩、香の強いパセリが爽やか。サラダは、トマト、セロリ、紫玉ネギ、キドニービーンズ、ペペローネに、大量のカッテージチーズが乗っている。全ての材料が小さく刻まれているので、見た目よりも量が多い。そして、これにも大量のパセリとレモン汁がかかっている。そして、お勧めのほうれん草のパイだが、サクッとしたパイ生地に、素朴で円やかな具が、とても美味しい。いやー。どれも美味しかった!(料理の感想書きすぎか……)

 3~40分くらいで、この2年間の話をかいつまんで話した。あまりにかいつまみ過ぎて、分かったような分からないような……、多分、全然分かってないような気がする(笑)。話している間に分かったことだが、Konさんは、私と誰経由で知り合ったのかを、全く勘違いしていた。っつーか、ものスゴークあやふやに認識していたようだ。それでよく昼ご飯食べる約束したなぁ、と感心した。私にとってはとても有難かったけど。後は、ずーっと最近の話。半分がここ3ヶ月以内の話で、半分がここ2日間の話という感じだった。

 食事が終わり、料理はとても美味しかったのだが、とにかくウエイターが……なので、別の店で食後の珈琲を飲もうという話になったので移動。途中、Konさんの扱ってる商品が置いてある店を覗くが、残念なことに昼休みで鍵が掛かっていた。66 st.のBarnes & Noble Bookseller 4Fのスターバックス(1972 Broadway)に行った。

 この店は、買わなくても、店内の本を自由にテーブルに持ってきて読んで良いというスタイル(店内写真は、17日-2でもう一度寄った時に撮った)。しかし、もの凄い人だ。レジの前から伸びた列が、少しも短くならない。味は普通。日本と同じ(違いが分からないだけかも)。しかし、もの凄い人だ。レジの前から伸びた列が、少しも短くならない。味は普通。日本と同じ(違いが分からないだけかも)。

 


 

f:id:yasno:20150712144854j:plain 14時、Konさんと別れ、映画『ハリーポッター』にハマリ過ぎのゆいちゃんが、「日本公開前に、NYで観たいっっ」と強烈に言うので(と言っても、日本よりもたった1週間早いだけ。私に言わせれば、だけど)、公開初日である金曜日の前売り券を買いに、Konさんから聞いて、すぐ近くにあるソニーリンカーン・スクエア&アイマックス・シアターに寄ってみる。かなりすんなりチケット購入。

f:id:yasno:20150712145034j:plain この時、ゆいちゃんは、とてもとてもとても×100幸せそうだった(後に、映画館で大変な2つの事件に遭うなんてことを、誰が想像出来たであろうか……。否、実は知ってる人は、結構簡単に想像出来ちゃうかも。この画像の大きさで確認出来るか分からないが、チケットのタイトルをご覧頂きたい。《HARRY POTTER 2》と書かれている。事件の内のひとつは、ここの部分にもうっすらと浮かんでいるのであった。金曜日の日記を待て!)

 


 

 ホテル(オルコット)まで戻って、洗濯物を持ち、立派なランドリールームのある、フィリップス・クラブへ。ユキちゃんの部屋に行くと、丁度、雑誌ヴァンサンカンの取材中(2002年12月号に載ったらしいが、私は見逃した)。「うわー。さっきまで、まさにアシスタントが欲しかったのにー」と言われる。  今日も元気なワオちゃんが、私達の方にササーッと寄ってきて、にこにこ顔で「あさから、な~んにも食べてませ~ん」と言う。爆笑。そ、そんな馬鹿な! この子は、2歳にして痴呆の姑か!とユキちゃんも取材陣を前に笑いながら困っていた。

 カメラマンがストロボをセットしている間に、ユキちゃんは、ランドリールームに行って、私達に巨大な洗濯機の使い方を教えてくれた。「洗濯自体は40分くらいで終わるよ。次は乾燥機。この柔軟剤入りシートを……。あー。でも、二人とも時間無いから、今日の分は私がやっておくよ。まだ、撮影も終わらないし。終わらないと出かけられないし」と言う。申し訳ないなぁと思いつつも、大変有難いのでお言葉に甘え、洗濯をお願いしてしまう(非道い……)。

 使命を遂行する為に『骨屋』に下見に行くゆいちゃんと、ホテル(フィリップス)の前で別れ、私はホイットニー美術館へ向かうことにした。

 


 

 すぐ近くに、セントラルパークをイーストサイドに向かう線(地下鉄&バス)が無いので、「どうしようかなぁ」なんて考えながらカツカツ歩いていると、59st. コロンバス・サークル駅まで来てしまった(笑:けっこうな距離)。地下鉄を乗り継いで(途中、またもや乗り過ごして、川向こうのQueensまで行ってしまった。「うひー。『星の王子様NYへ行く』だよー。ヤレヤレ」と思いながら、引き返す)、77 st. (Lexington Av.)駅で降りる。

 改札を出ると、日本人観光客がいて、何となくホッとしたような可笑しい気分になった。やっと、会う約束をしていない日本人に会った。世界中どこにでも居るという日本人観光客に、この大都会ニューヨークで、3日目夕方まで会わなかったのが本当に不思議な気がして、意味もなく話しかけようかと思ったが止めた。そんなどうでもいい時間は無い。

 小走りで、ホイットニー美術館(Whitney Museum of American Art)に到着。$10を支払って中に入る。ここは、20世紀のアメリカの現代美術。学生時代、A. ウォーホルが凄く好きだったので、沢山ある美術館から、ここを最初に選んでみた。1万点あると言われている作品群は、もう最初から最後まで、これでもかこれでもかとノスタルジーを溢れまくり。新しいことと言うのは、沢山の試行錯誤の中にあるんだなぁ。目の前にある物は古くても、その時何かに向かっていこうとする、みずみずしい姿勢はビシビシと伝わって来る。しかしそれらは、ここに来る前から予想された感想だったとも言える。「来なくても良かったかな」と思った次の瞬間、予想出来なかった衝撃を、1人の作家(何でメモってこなかったんだろうなぁ。時間が無くて、気が焦ってたからかも)の作品から受ける。もの凄ーく、自分の高校生の頃の絵にそっくり(コンセプトが、笑)な絵が飾ってあったのだ。「どうして、こうなってしまうんだろう。嫌なのに」と思いながら、でもその頃の自分はそうしか描けなかったのだ。もの凄い親近感。椅子に座って暫く観てしまう。

 骨屋に寄ったゆいちゃんと、ここホイットニー美術館のミュージアム・ショップで落ち合うことになっていた。1階に着き、地下のショップに降りていこうとするゆいちゃんを発見。無事合流し、一緒にショップを観る。ゆいちゃんの探していた、作家のDVDはなかったようだ。私も特に惹かれる物が無かったので、すぐに出ることになった。