悲願の富士登山「須走コース」を振り返る(6)
他にも書きたい事があるし、このシリーズ、次回を最終回にしたいんだぜー。
(5)のつづき(前回、私がもの凄く心配だった、『道に倒れ込むように横たわっている人たち』というのは眠い人たちらしい。眠ったら復活するんだって。なんだ、良かった!)。
九合目までは、「えっ?」という薄着+コンビニで売っているような透明でペラペラのレインコートを着て登っている人を見かけたが、いつの間にかそんな人もいなくなった(たまたま見えなかっただけかもしれないけど)。
東の空に赤い帯が現れ、広がっていく。
この日の日の出は5時丁度の予定だった。あちらこちらで「後○分」とカウントダウンが始まっていた。
どんどん強まる太陽の光が、紺碧の雲を染め分けて行く。美しさに吸い込まれる。
登る人の邪魔にならないよう登山道から山側に入り、日の出の瞬間を待ち構えることにした。湖が冷たく浮かび上がってきた。
撮ってるのはiPhoneだが、何処に露出を合わせたもんか迷う。撮ってるけど、裸眼で見なきゃもったいない。目ほど素晴らしいレンズはない。
日の光が辺りに広がると、ほんのり温かさを感じた。そんな当たり前のことにいちいち感動する。
そして、行く先を見上げ、改めて富士登山の大渋滞を認識する。いやはや凄いね。
そういえば、丸めたサジャダ(イスラム教の人がお祈りの時に使う敷物)を肩から下げて登ってる男性がいたのだけど、彼はお祈りの時間に間に合うように山頂に着けたんだろうか。
5時25分、須走の頂上に到着。
井上君に、「フードの上にヘッドランプ着けてるの、笑える!」って言われたけど、寒いからフードがめくれたくないし、直す気なかったね! 行者っぽい雰囲気出てるなぁ。
この時間に頂上にいる人はかなり多いと思う。鳥居から石碑っぽい所は人口密度が高い。
混雑を避けた場所を選んでHOMER夫妻が鶏だんごのスープを作ってくれた。高度で水の沸点87℃だったので、平地よりちょっと大変そう。
野菜の甘みが美味しく、全身に沁み渡るよ。富士山の頂上で温かいスープを食べられるなんて、なんという贅沢!
井上君はコーヒーを煎れてくれた。丁寧な仕事。
下江戸屋さんで持たせてくれたお弁当はシャケ弁だった。思ったよりちゃんとしたお弁当だった。塩分補給だ!と思って、ふりかけも全部かけた。
完全に冷えきる前にザックからダウン的なもの(ちなみにこれはユニクロのウルトラライトダウンコート)を出して着た。
事前に読んでいた口コミ記事では「山でユニクロは役に立たない」という評判だったが、上を知らない私は「これで十分だなー」という感じだった。丈が長いのも個人的に良かった(素人丸出し風だけど)。
「本格的に雨になったら着替えればいいや」とラフに思って、レインウェアの上にダウン的なものを着ていた。最終的に大した雨は降らなかったので、高度が下がって暑くなるまでこのレイヤーのままだった。
6時35分、腹ごしらえをして、みんなの元気が回復したので、お鉢巡りを開始。
登山客の殆どがお鉢巡りをしないと言うデータがあるらしい。沢山の人が下山してる様子が見えた。
もう頭痛はしないのだけど、酸素がなくてボーッとする。溶岩石だらけの風景は、まるで他の星に来たみたいだった。
6時55分、富士山頂上郵便局着。正に今日(8月24日)が年内最終営業日で、入口の所に「最終日なので午前10時で終了」の但し書きが書いてあった。
本当は、山小屋で眠る前に絵葉書を書こうと思ってたんだけど、気付いたら朝だったので、霧雨の中、ミミズの字で書いた。20分くらい滞在させてもらった。
7時20分、富士宮口山頂 浅間大社奥宮。御朱印(1,000円)をゲット! 御朱印帳を預ける人は「4〜50分待ちです」なんて言われてたよ。
サササッと御神籤も引いた。大吉。しかもいい方の大吉!
しかし寒い。本当に3℃だったのかもしれない。