虹がでたなら

説明がしづらい人のブログ。

「音楽と言語はどのぐらい、どう似ているのか?」菊地成孔@東京外語大

オイルヒーターで17度に保たれている部屋でこれを書いています。若干寒い。
そういや、エアコンって夏しか使わないな。友達が来たときは別だけど。
でも、冬は室温が低い部屋で過ごした方が、風邪ひかないらしいですよ。

 

さて、今日は、東京外国語大学通訳コース卒業記念講演会で菊地成孔氏が「音楽と言語はどのぐらい、どう似ているのか? ー Music and Language: How and to what extent are they alike?」というテーマで講演をやる、ということで、東京外国語大学 プロメテウスホールへ。 

武蔵境駅西武鉄道多摩川線に乗換え、車窓の風景がどんどん雪になって行くのを見ながら、ジーパンの下にタイツを履かなかったことを後悔。

 

ああ、後悔と言う意味では、私は昼間にした失言の影響で、午後になってからずっと落ち込んでいた。
ずっと、人生の殆どを個人行動で生きてきたので、集団行動に馴染まない。
しかし、そうも言っていられないんだよなぁ。はぁ。

f:id:yasno:20160120222954j:image

駅から大学までのたった5分の道の途中ですら、凍死しそうだった。
そう言えば、武蔵野は寒いものだったっけ。

 

受付で、アンケートを渡されながら、「同時通訳のレシーバーはお使いになりますか?」と訊かれたので、「公演は日本語ですよね?」と確認すると、「はい」と言う。

確かに、菊地さんの公演がどのように英訳されていくのか、ものすごく興味があったけど、情報量が多過ぎて余裕を持って楽しめなさそうなので、今回は借りなかった。
でも、他の講演者だったら、借りてたかもな〜。

 

今回、“卒業記念講演”と言うことで、私の周りに座っていた学生たちは皆、卒論について、至極真面目に語り合っていた。
ここ最近、周囲で語られていた“卒論”とは全然違う、本来の意味だったので、新鮮な気持ちになり、笑いがこみ上げて仕方が無かった。

 

プロメテウスホールは、前の座席の背もたれの部分に収納式の板が付いていて、引き出して机として使えるようになっていた。
ノートが取りやすくて便利。流石、大学だなー。
と言っても、ノートに書いたことはここには書かないんだけど。

 

時間になり、幕が上がると、ステージの方からエンジェルに似た、でも違うかもしれない香水の香りが流れてきた。
その時になって、香水をつけてくるのを忘れたことを思い出して、少し後悔した。


Hermeto Pascoal - (Tiruliruli and Papagaio Alegre)

最初の曲がかかっている間、菊地さんはブルーに見舞われているような表情をしていて、少し心配になったけど、CDJやキーボードを使って、切断/反復を繰り返していく間に持ち直したように見えた。

2曲目に掛けた曲を探すことが出来なかったので、他のDrakeの曲を代わりに。
あー、あのCD欲しいな。2009年に出たと言っていたけど。

Syncopeの話が楽しかった。
PCで6番目の音を切って繋げたバッハ。面白かったなー。

「元の音楽と切り取られた音楽を聴いて、違いが判らない人はリズムのリテラシーが低い人ですね。だからと言って価値が低いと言う訳ではありませんし、生きるということには何の支障もありません。ボヤッとしていただければよろしいかと思います」

みたいな事を言ったところが、今回菊地さんが口にした発言の中で一番笑った。

でも本当に一番笑ったのは、最後の質疑応答のコーナーで質問された教授風の男性の発言。
菊地さんの講義に触発されて気持が高ぶり、言葉がどんどん加速した結果、東北弁に近いアンシェヌマン多発で、私には殆ど聞き取れなく、本当に最高だったなぁ。
リミックスしたらいいと思った。

システム(電源?)の関係で、OHPとCDJが同時に使うことが出来なくて、Roger Nicholsの「Don't Take Your Time」とCorneliusラブパレードの味わいの差を、楽譜を見つつ、構造解説を受けながら音楽を流すことが出来ず残念だった。

HERE & THERE

HERE & THERE

 

 最後にかけた曲はYouTubeがなかったのでAmazonを。

講演の最初から音が左側からしか聞こえて来なかったので、そういうものかと思ってたら違った。

 

質疑応答の最後に質問した学生が、「ティポグラフィかに於けるリズムの訛りについてお話しして欲しい」と言ったのにはちょっとニヤリとしてしまった。遡ってるねぇ。

あれは、難しい。そして確かに菊地さんの口から解説聞きたいね。
すごく、楽しめた。

 

講義の間、語学を一番の趣味にしていた1995年からの5年間のことを色々思い出していた。
あの頃の自分とはだいぶ離れたところに、私は今立っている。

 

それにしても、もっと自分を高めるための時間を取らなくちゃ駄目だ。
本当の力、私の基になる事をする時間を取らなくては。