無敵 ≒ 都合よく解釈する力 ≒ ポジティヴ・シンキング
私の両親は、24時間のうち21時間を一緒に過ごしながら、25年以上は経っているだろうという夫婦だ。
しかも、“仲良し”なんて言葉が生易しく感じるほどの寄り添いっぷり。
子供が言うのもなんだけど。
昼、女だけで食事をしながら、母とこんな感じの会話をした。
「ねぇ。いい加減、お父さんが怒り出す前に、出掛ける準備をして欲しいんだけど。」
「違うのよ。あれは怒ってるんじゃないの。案外優しいのよ。」
「いやいやいや……。話の趣旨が変わってるんですけど!」
惚気か! 無敵過ぎる。その耳の強烈なフィルター、私も装備したいよ。
それが付いていたら、私も父に「お前は幸せになる必要はない!」と言われた時、ショックを全く受けずに済んだろうに(苦笑)。
誰でも子供の頃、「自分は本当にこの人の子供だろうか」と思うことが一度はあると思うけど、私は未だに思う。顔はそっくりだが。
自分に都合良く解釈する聴力は、健やかに、もしくは逞しく生きていく上で重要なファクターのような気がしたね(苦笑)。
食後、食堂の隅に三脚を立て、母に名刺用の写真を撮ってもらった。
写真を誰かに撮ってもらうと、必ずそこに関係性が写ってしまう。
なるべく自然な表情がよかったので、その時そこにいた人の中では、母がいいかなとお願いしたのだけど、髪の毛のグチャグチャやスーツの変なシワなんか全然気にならない人なので、それなりの写真になってしまった。
他人の写真なら、画像処理で少し髪を直すか、と思うが、自分なので早々に諦めることにした。
しかし、我ながら泣いて泣いて泣いて生きてきた顔だなー。自分が見るからそう見えるのかもしれないけど。
本当は、昨日の夜にこれを更新するつもりだったのだけど、ついつい『菊地成孔の粋な夜電波』を聴きながら深酒してしまったので出来なかった。
昨夜は、「選曲請負人・菊地成孔があなたのためにひと肌脱ぎます『菊地成孔のミュージックプレゼント!』」だった。
(何だ、「選曲請負人」て・苦笑)
ラストのリクエストは、父の死(喪失)により精神を病んでしまい、閉じこもり本の中で暮らしていると言う青年から、「亡き父から自分へプレゼントしてくれる曲を」というものだった。
菊地さんが選んだ曲は、Sun Raの「Sleeping Beauty」。
「多過ぎる読書は、鬱病を悪化させるので、読書と同じ量の音楽が必要」と言い、「(ミュージックプレゼントをする)代わりに、あなたの本の中で、最も大切な本から10冊捨ててください。」とまるでお医者様の処方みたいに提案した。
Sun Raに関しての菊地さんの解説が、ちょっと面白かったので、今、軽く調べてみたんだけど、確かにこの青年に相応しい人のような気がする。
日本語のWikiは説明がなさ過ぎるので、こちら英語のWiki。
半年くらい前だったか、「最近の若い人は音楽をプレゼントしたり貰ったりしない」、なにそれダセー、聴きたい曲は自分で探すだろ、みたいなツイットを見かけたのだけど、誰かのことを思って、その曲が生まれた背景も含めてプレゼントするというのは、いいことなのになー。
なんて、年配社の意見か(苦笑)。
Sun RaのYouTubeはアルバムのをはっておきます。
なんか、余談が本文と同じ長さになっちゃったな。